〒663-8243 兵庫県西宮市津門大箇町7-24
受付時間:9:00~20:00(土日祝でもOK)
ここでは、カラーベスト(コロニアル、平板のスレート瓦)屋根の失敗しないための塗り替え塗装のご紹介をしたいと思います。一昔前だったら、職人まかせであった塗装工事が、エンドユーザーである施主様でも、簡単に塗料、施工工程などについて簡単に知識を得ることが出来るようになった昨今、それでも、外壁などと違って普段見ることが無いばかりか、塗装中も高所により、なかなか目にすることが出来ません。それゆえ塗装屋がいうのもおかしな話ですが、手を抜こうと思えばいくらでも抜けるのが屋根塗装です。しかし屋根は夏場はカラーベスト屋根であれば70℃を越し、凍てつく様な冬場は凍ってしまうくらい過酷な場所です。1年を通して過酷な環境に置かれている屋根を、いかに守っていくか、かなり長くなると思いますが、少しづつ動画や写真を入れて、出来るだけわかりやすく、書いていきたいと思います。(2015年3月20日)
カラーベストとは、一般的には平板型の屋根材が多く占めますが、中には特殊な波型のスレート屋根材があり、2004年以前の製造であれば、石綿(アスベスト)入りの可能性があり、2004年以降の製造であれば、ノンアスベストのスレート屋根材です。
アスベスト含有スレート瓦について詳しくは下記のリンクをクリックしてください。
和瓦が1㎡あたり約50kgに対して約19kgと耐震性に優れ、また安価で美観性や建築時の施工性にも優れた屋根材で有る為、一般的な建売住宅には非常によく使われている屋根材です。
また、カラーベスト屋根の場合、塗り替え塗装が必要ないという声も一部では聞くこともありますが、塗り替えのメンテナンスを怠り、雨漏れなどで高額な葺き替え工事になってしまう場合もありますので、築10年前後で専門業者などによる点検、メンテナンスをお勧めいたします。
下の写真はカラーベスト屋根の雨漏れの為、やむなく葺き替え工事になってしまった時の写真です。雨漏れといっても、部屋の天井などにシミが出来、すぐに気づくような雨漏れの場合はすぐにメンテナンスが出来るのでいいのですが、下の写真は2軒とも長年全く気づかずにいましたが、気づいたときには既に下地まで腐食している状態でした。このような雨漏れの仕方が非常に怖く、たまたま外壁・屋根の塗装メンテナンスで、点検、見積もりすることになり、雨漏れが発見できたのですが、もし、点検などをしていなっから、いつまでもこのまま雨漏れの状態が続き、母屋や棟木などの腐食や白アリなどの心配もありました。また、もう少し早期の発見でしたら、金属瓦をカラーベストの上に重ねるカバー工法という施工方法もありましたが、既に下地のコンパネも腐食している状態なので、塗装では屋根を守ることが出来ないので、高額な葺き替え工事となりました。
前置きが長くなりましたが、ここからカラーベスト屋根塗装で失敗しないための注意点を順番にご説明していきたいと思います。
まづ第一に、カラーベスト塗装で一番注意しなくてはいけない点は、塗り替え塗装後の早期の塗膜剥離です。なぜプロの塗装屋さんが塗装して、塗膜が剥離してしまうのか!すごく疑問に思われると思いますが、塗膜剥離の一番の原因は、高圧洗浄不足と下塗り塗料(シーラー)の塗布量不足です。(その他にも、冬場の冷え込むような時間帯の塗装、雨が降っている中塗装したり、洗浄後乾ききらないうちに塗装するなどありますが、そのあたりは論外なので、今回は省きます。)要するに手抜きなんですが、高圧洗浄や下塗り塗装の工程は、家に例えると基礎の部分に当たります。いくら立派な家を建てても、基礎がしっかりしていないと、家が傾いたりするのと一緒で、まづ一番最初の工程の高圧洗浄不足で、カラーベスト基材にほとんど密着していない旧塗料やコケ、カビなどをキッチリと洗い流さずに、いくら最高級塗料だと説明された材料をその上から塗装しても、もともとの基材に密着していない、旧塗料やコケ、カビなどから剥離することになります。
上の写真はいずれも洗浄不足か、下塗りの塗布量不足だと思われます。では、どれくらい洗浄し、下塗りを塗装をすればいいのかなかなかわからないと思いますので、洗浄前、洗浄後 下塗り前、下塗り後の写真を掲載ひ一つづつ説明いたします。
下の写真はカラーベスト屋根の高圧洗浄前、高圧洗浄後、下塗り塗装後1回目、下塗り塗装後2回目の写真です。高圧洗浄後は、元の色が分からなくなる位に、色が真っ白になっています。このくらい元の塗料が無くなると、カラーベストはスレートなので、吸水性もかなり高くなっています。この状態で下塗り塗装をしたときに、下塗りのシーラーは液体なので素地に吸い込まれてしまい、表面にシーラーが残らない部分がかなり出来てしまいます。当然この状態で上塗り塗装をしてしまうと、早期の塗膜剥離などのトラブルの原因になる場合があるので、もう一度下塗り塗装をし、まだ一部素地の吸い込みが止まらない箇所には、部分的に3回目の下塗り材を塗布します。
日本ペイントのカタログには、濡れ感が出るまでを目安に塗装してください。又は素地への吸い込み箇所がある場合は、その部分を増し塗りして下さいとあります。
下の写真はアーバニー屋根の高圧洗浄前、高圧洗浄後、下塗り塗装後の写真です。こちらの写真もカラーベスト屋根と同じように高圧洗浄後は、元の色が分からなくなるくらい色が真っ白になっています。ただ下塗りに関しては経験上ですが、カラーベスト屋根に比べると、アーバニー屋根の方が吸い込みが激しいように思われます。下の写真は、高圧洗浄後に下塗り(シーラー)を全面に3回塗装しています。洗浄や塗装の様子は動画にありますので、よろしければご参考にして下さい。
今回下塗りにはSK化研の二液型弱溶剤エポキシシーラーのマイルドシーラーEPOを塗装しています。この下塗り材は、浸透性、固着性が高く、下地補強に優れた塗料です。
下のカラーベスト洗浄動画と、塗り替え動画をUPします。ユーチューブにUPしている動画なので、よくお客様に、本当にいつもここまでしているの?とご質問されますが、動画に出てくる内容は基本的には嘉村塗装の標準施工になります。
この動画は2011年5月28日にユーチューブにUPした動画です。
続いての工程は、雨漏りの防止や屋根の通気性確保のためのカラーベストの縁切りです。新築時に施工されるカラーベストは、工場で一枚一枚塗装された物を現場で軒先の方から棟方向に向かって重ねながら葺いていくので、雨水の排水や、屋根の通気性は確保されていますが、塗り替え塗装時には、既に施工されているカラーベスト屋根全体を塗料で覆てしまうので(サランラップで屋根を覆い尽くすような感じ)瓦の下に回った雨水の排水路や湿気の逃げ道が塗料でつまり、雨漏れや下地コンパネの腐食の原因になる事があります。
下の絵はカラーベストを塗り替え塗装した時のイメージ図です。塗料で重なり部分の隙間が塞がれれてしまうのがよくイメージできると思います。
下の写真はカラーベストを葺いている写真です。軒先から棟の方に向かって一枚一枚葺いていくので、通気性や雨水の排水など心配する必要はありません。
では、どのようにして、縁切りをして通気性を確保するのかというと、以前だと、皮すきやカッターなどで、重なり部分などに詰まった塗料を切っていましたが、それでは、カラーベストを破損させたり、せっかく塗装した塗膜を傷つける場合もありました。しかし近年セイム社が開発したタスペーサーという画期的な縁切り部材が発売されたことにより、簡単にまた、施工効率よくカラーベストの縁切りが出来るようになりました。
続いて、水切り板金の処理ですが、通常はケレン、錆び止め塗装後に、上塗り塗装で簡単に終わらせてしまいがちなんですが、案外下地がやられている場合があります。棟板金の構造上強風にあおられ板金が捲れあがり、貫板まで水がまわり腐食してしまって、下地から交換したほうがいい場合もあります。
下の写真は棟板金の錆びの処理です。左の写真位の錆びでしたら、キッチリとケレンで錆を落とし、錆び止め塗装後に上塗り塗装すれば大丈夫です。
下の写真はカラーベスト屋根の棟板金が強風であおられ、止めている釘が抜けかけて、板金が浮き上がっています。
上記のような状態が長期間続くと、どのようになるかが下の写真です。板金下の貫板が腐り強風で板金が飛ばされてしまいます。左の写真は2014年の台風で板金が飛ばされた写真です。長年の風雨で、完全に下地の貫板が腐っている状態でした。右の写真は以前施工していた、お隣の屋根の写真で、真ん中の板金がきれいに1枚飛ばされて、こちらも貫板が完全に腐食しています。この様に少しずつ貫板に雨水がまわることで、強風などで釘が緩み、板金が浮き、さらに釘が抜けて、最終的には貫板が腐り強風で飛ばされてしまいます。カラーベスト屋根の雨漏れ事例でも写真を掲載したように、棟からも案外雨漏れがありますので、カラーベスト屋根を塗装するときには、棟の点検も大変重要です。
下の左側の写真は、当社で施工した棟板金交換時、板金を撤去したところの写真です。まだ、貫板はまだ腐ってはいませんでしたが、かなり雨水がまわっていたので、施主様と相談して、板金の交換になりました。真ん中と右の写真は、カラーベストの雨漏れ事例でも掲載した、棟から雨漏れしたと思われる写真です。貫板もカラーベストと同じように、釘で止めてカラーベスト、防水シート、下地コンパネを貫いて屋根裏の棟木まで釘が届いているので、当然雨水が釘をつたうので雨漏れの原因になります。
カラーベスト屋根の棟の施工解説です。
下の左の写真は、軒先カラーベスト瓦を葺いている所です。切り妻屋根の場合、両サイドの軒先から頂上に向かって瓦を葺いていき、一番頂上部分の突合せした部分が棟となります。瓦の上に直接棟板金を施工出来ないので、真ん中の写真のように、棟部分に貫板を施工し、この板に棟板金を釘やビスで止めます。横殴りの雨などでは、当然貫板まで水が侵入してしまうので、木が弱り板金を止めている釘が浮きます。また、板を止めている釘は屋根裏まで突き抜けているので、棟が傷んでいる状態で放置しておくと雨が釘を伝い、雨漏れの原因になります。
カラーベスト屋根の屋根裏の写真です。屋根裏の構造やカラーベストを止めている釘が、屋根裏まで突き抜けているのがよくわかると思います。カラーベスト屋根の雨漏れは、雨がこの釘をつたった雨漏れが大半だと思われます。
抄造法で製造されたカラーベスト(スレート瓦)とは、建材にアスベスト(石綿)使用が禁止になる前後に、和紙を漉くように薄く何度も加圧成形で製造された、アスベストを含まないノンアスベストの瓦です。特徴として、強度不足などで、層間剥離やヒビ割れなどのトラブルがあります。
下の写真は、3F建てのため見積もり時に屋根の状態がわからず、契約時は屋根の塗装の予定でしたが、足場を架けてから屋根を見ると、全体にカラーベストが層間剥離を起こしており、塗装ではなく金属瓦のカバー工法に変更になりました。施工写真はこちらをご参考にしたください。カバー工法
下の真ん中と右の写真は、おそらく瓦の小口から雨水を吸水することで層間剥離を起こしており、写真では少しわかりづらいかもしれませんが、完全に剥離している少し上の黒ずんだところまで剥離が進んでいます。屋根全体がこのような状態でしたので、施工途中でしたが金属瓦のカバー工法に変更となりました。
お見積り依頼は以下のフォームよりお願いいたします。
お電話でのお問い合わせは(0798)39-7137まで
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。
施工対応エリア
兵庫県神戸市(東灘区 灘区 兵庫区 長田区 須磨区 垂水区 北区 中央区 西区) 西宮市
尼崎市 芦屋市 伊丹市 宝塚市 川西市 三田市
ご予約はお電話・メールにて受け付けております。
お電話でのお問合せはこちら
メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。